owky's blog

小さなチームでは暗黙知を育てる

Nov 15, 2022

新機能の開発コスト見積りが上手くいってない。この見積りは戦略と投資の判断材料にするためのものだが、見積り作成に時間がかかっており、開発コストも大きくなりがちで、効果的な意思決定ができていない。

見積り作成時の企画部門と開発部門とのやりとりに原因がある。企画から出てくる要求仕様は細かくて、Howの部分にも言及されている。企画としては良かれと思ってやっているのだが、仕様は細かいほど見積り項目が増えて見積り作成に時間がかかるし、効果的で低コストな実現手段という最適解は開発でないと見つけられないのでHowの部分は完全に開発に任せて欲しい。

では、企画側でどこまで要求仕様を考えて、どこからは開発側に任せるかを定義して見積り依頼テンプレートを作りましょう。となりかけた。いやいや、それはやめた方がいい。見積り依頼に関わるのは企画が3人、開発が2人の計5人だ。5人しかいないなら会話を増やした方が良い。

見積り依頼の際にはまず集まって話すことにした。事前の準備はとくに無くて良い。集まって会話して、企画と開発で見積もり対象の理解を深める。企画からWhyとWhatをインプットしてもらって、開発はHowの最適解を考える。それならばこういう仕様で実現できる、ここはこだわるべき部分か、それとも妥協できる部分か、こういう会話を重ねていくと効果的な見積りが作れそうだ。この体験を通して、企画と開発との間で相互理解と学習が進むので、機会を重ねることでよりスピーディに効果的な見積りが作れるようになる。

我々5人は効果的な見積りを行うことを目指すチームである。これくらい少人数のチームであれば、会話を増やして暗黙知を育てていった方が効果的なアウトプットを生み出すことができる。なんでも “標準化” しておけば良いということはない。

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