Dec 20, 2022
主に組織開発というアプローチで、開発組織の生産性や品質の改善に取り組んできた。今は組織のトップ(開発責任者)を務めつつ、自らチェンジエージェントとなって少しずつ組織に変化を加えている。総勢80人規模のチームであり、フローやプロセスもできあがっているため、なかなか大きな変化を起こすのは難しい。そのため、チェンジエージェントとしての仲間を増やしたいと思っていた。
ある若手メンバーとの1on1で組織開発に興味を持っている話を聞いた。彼は自チームの同僚に働きかけ、自チームにスクラムのプラクティスを導入し、自己組織化された機能横断的なチームになることを目指していた。それを聞いて、仲間を見つけた嬉しさがあったのと、懐かしい気持ちにもなった。数年前の自分を思い出したからだ。
あのときは自分も同じように、アジャイルな開発とそれにまつわるフレームワークやプラクティスを勉強し始めたころで、自己組織化チームのような実現したい理想系を描いていた。小さなチームでスクラムを始めて、手応えは得ていた。しかし、これをチーム全体に波及させることはできなかった。当時でも50名ほどの組織であり、従来のやり方で進む慣性力が強く、変化を加えるのは難しかった。上司は否定的ではなかったが、具体的なサポートまでは得られず、まさに孤軍奮闘だった。その後は、ドラスティックな変化は起こさず、現実的な小さな変化を重ねていくやり方にシフトした。今は自分がいるので、彼を孤軍奮闘させてはいけない。当時にいて欲しかった協力者や支援者に、今自分がなるべきだ。
適性ある人を選んでチェンジエージェントの役割を与えることもできるが、このように自発的に現れたのはとても嬉しい。組織開発やアジャイルという分野・コミュニティが発展してきたのが大きいが、自分がこれまで地道に取り組みながら発信してきた成果もあるのかなと自信になった。さらに組織開発を加速させていきたい。やる気が出た。